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February 23, 2005

井上章一氏・書評全文

日経新聞2月3日号夕刊にて、井上章一氏による書評。引用させていただきます。

(題字)国是に迎合する学問に警鐘

 学問は、政治的に中立であってほしい。特定の勢力を利するために、研究成果をゆがめてつたえるのは、こまる。
 しかし、男女共同参画社会の実現をめぐる学問には、この点で微妙なところがある。今日、男女共同参画を悪いことだと言いきる人は、あまりいまい。それは、世論にもささえられた、一種の国是となっている。
 そのため、男女共同参画社会の美点も、さまざまな形で語られる。たとえば、その実現は少子化をくいとめることにもつながると、言われたりするわけだ。男が子育てに協力し、育児施設が充実すれば、出生率も回復するんだ、と。
 だが、その証拠としてもちだされる統計には、根拠がない。意図的にかくされたデータもある。男女共同参画論に迎合した御用報告が、たいへん多いと、著者はいう。
 正しい政治をささえているんだから、少々問題があってもいいと、思うむきはあろうか。私は、しかし、学術としての妥当性にこだわる著者へ、拍手をおくりたい。学問とは、孤立をおそれぬ営為であると、私も考える。まあ、子どもへの無垢な愛をとなえるあたりに、違和感はあるが。
                                          (井上章一)


 「学問とは、孤立をおそれぬ行為」。いい言葉ですね。どうもありがとうございました(赤川)。


 
  
 

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Comments

「週刊ダイヤモンド」2004年7月号の田中康夫との対談で浅田彰がこう言っている。

それから、本当に大切なのは、ヨーロッパのように福祉を充実させ、女性が安心して出産・育児に取り組めるようにすること。むろん父親も十分に休暇をとれるようにする。さらに、既婚の母でも未婚の母でもいい、嫡出子でもいわゆる庶子でもいい、完全に差別なく扱おう、と。資本主義経済が回っていくためには出生率を上げなきゃいけないんで、そのためにもそういう改革を思い切ってやるべきだよ。フランスなんて、そういう方向で、出生率が1.8くらいまで回復してきてるんだから。ところが、保守派は教育基本法の改悪なんかでそれと正反対の古めかしい家父長制道徳復活の方向に進もうとしてるんだから、愚かとしか言いようがないね。

「駿馬も老いれば駑馬となる」というか、浅田はもはやただの低能リベラルだと、これではっきりしたな。
『子供が減って…』で浅田の名前もあげておけば良かったね。

Posted by: 小谷野敦 | March 06, 2005 03:29 AM

 浅田さんがそんなこと言ってましたかぁ。残念ですね。

 情報ありがとうございました(みるのがすっかり遅れました)。

Posted by: ぷん | March 09, 2005 05:33 PM

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