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April 08, 2005

アマゾン・カスタマーレビュー逆採点(2)

続きます。

3  科学的な正論を求めて, 2004/12/23
  レビュアー: ソコツ (プロフィールを見る) 
内容の概要はすでに適切にレビューされていますので、この本のその他の実に有益な点を紹介しておきます。つまり徹底して実証的な社会学の具体的な指南書として、とにかくすばらしい。著者はとくに前半では「リーサーチ・リテラシー」の観点から議論していく、ということを言っていますが、ちゃんと実行されています。どういう統計データなら信頼できて、どんなのは恣意的な「研究結果」なのか、あるいは、解明された「現状」にもとづいて何をいうのは正論で、何を主張すれば自分の価値観の押し付けめいた暴論になるのか、などなど、よくわかってくるようになります。
著者はこれまでも「学問(社会科学)はどうあるべきか」という理念と方法について熱心に語ってきており(例えば、経験的なデータを〈他者〉とみなすことで、学者の思い込みや偏見を正し地に足のついた論説を展開していこうという意見など)、本人の目に見える成果としては優れたセクシュアリティ研究を発表してきました(フーコーの乗り越えをはかる歴史・言説研究など)。それが現代社会のアクチュアルな問題をめぐって、今回は「数値」にこだわるかたちで応用された、といってよいのではないかと思います。

赤川採点:5
コメント:これは、掛け値なしに嬉しいコメント。本書だけでなく、『セクシュアリティの歴史社会学』や『理論と方法』『年報社会学論集』の拙稿まで読んだ上で、コメントしてくれています。おそらく社会学を専門にしている方なのでしょう。他謝。

4 「社会学」の問題解決能力の欠如を露呈, 2005/01/08
  レビュアー: canberraact (プロフィールを見る) 
本書は、少子化現象に伴って、女性の勤労と子育ての両立を支援するという内容の「男女共同参画社会政策」に関する言説が、統計上はそれが実際には少子化解消には貢献しないと明らかにした上で批判したものである。

評者としては、本書の存在意義はきわめて低いと評価する。それは、本書は単にフェミニズム系論客の批判に最終的には終始しており、本文の中で繰り返し述べられる「少子化を前提とした社会制度設計」には、何ら問題解決策を提示しないものであるからだ。

すなわち、著者が最も重点を置くのが、統計学的解析を用いた、「男女共同参画社会政策」にまつわる言説批判であるが、これが、統計を丹念に用いて「実態」を明らかにするというよりも、言説批判のための単なる対抗言説であるという印象しか受けない。それは、このような新書においては、読者層の設定ということからも、統計的専門用語は出来る限り回避し、議論の本質を丁寧に提示すべきであるが、そうした作業にはあまり関心がないことにも示されている。

こうしたことは、もし統計の専門家が新書を執筆すれば通常では行われないと思われる。しかし、著者自身の専攻は「歴史社会学」であるということからも、言説批判のために拙速に統計的手法に飛びついたと指摘されても致し方ないであろう。

このことで示されるのは、著者であれ、著者が批判する「参画社会派」であれ、観念論的傾向に走りがちな「社会学」の問題解決能力の決定的な低さということであろう。同じ問題を取り扱った新書としては、マクロ経済の観点による『人口減少社会の設計』がはるかに有益な指摘を行っている。

少子高齢化をめぐって多種多様な論争が繰り広げられる中で、さまざまな書物が刊行されている。そうした中で、本書は、そうした「市場の広さ」に伴って発生しがちな、言説の世界に終始し、問題解決に何ら貢献しない「低質の議論」というべきものであろう。

赤川採点:-100
コメント:問答無用。論じる価値なし。この本がどういう意図で書かれたかをまったく理解しようとせず、しかも自ら「問題解決策」のあり方を示さないまま、批判のための批判に終始している。仮に私の議論に問題解決能力が欠けていたとして(それでも、できるかぎりで言及したつもりだが)、それを社会学全般に一般化するのは、あきらかに暴論。書評のルールを逸脱している点で、最低点をつけた。

5 タイトルが不適, 2005/01/13
  レビュアー: usmmst60 (プロフィールを見る)   大阪府 Japan 
難しいですから、タイトルのインパクトにつられて安易に読むと、訳が分からなくなるのと同時に、期待を裏切られます。
このタイトルなら「子どもが減ったって、ちっとも心配することはないんだあ!」という内容に思えるじゃないですか。
現行の少子化対策を丁寧にくそ丁寧に反証しているのはなるほど凄いですが、だから「子どもが減って…!」という、タイトル通りの結論に落ち着いているとはとうてい思えません。せいぜい「子どもが減っても、ま、大丈夫ですよ。考え方次第ですよ」というのが関の山です。
だから、そういうつもりで読んでください。

赤川採点:0
コメント:題名については賛否両論ありましたが、題名から中身を推察して、それに外れたからと文句をいうのはやめてください。題名には、私の心からの叫びがこもっている。だから、仮にいかに不適な題名であろうと、誰にも文句はいわせない。(もっとも「題名どおりの主張を展開している」という評もあったりするのだが)。
 また、内容の理解もお粗末。

>「子どもが減っても、ま、大丈夫ですよ。考え方次第ですよ」というのが関の山です。
 そんなことは、どこにも書いてない。子どもが減って大丈夫じゃなくなる部分については制度改革しようと、何度も論じているはずです。

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