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April 08, 2005

アマゾン・カスタマーレビュー逆採点(4)

さらにさらに続き。

9 屈折してるようでいて、結構クール, 2005/02/22
レビュアー: ワッピ (プロフィールを見る)   千葉県佐倉市 
私自身、社会調査や将来予測の分野の仕事に30年近くたずさわっているが、統計データやアンケートのいい加減さは、自戒もこめて実感している。本書では、統計学のむずかしい部分は多少カットしても、リサーチ・リテラシーの実践編として面白く読める。
著者は、女性の労働力率と出生率はみかけ相関にすぎす、「都市化」がキーワードだという。都市化とは、第三次産業従業者比率で置き換えることも可能というが、この傾向は今後どのくらい続くのだろうか?みんながサービス業となったら、モノの生産はだれが行うのだろうか(まさかロボットが代行?)。
という具合に、新たな疑問・問題提起もわいてくる。多少、露悪的かつ自虐的な傾向のある著者だが、これからはアカデミズムや学会権威にこびないこのようなイキのいい論客の活躍に期待したい。
(ところで、著者はどんな家庭を持っているのだろうか?ちょっぴり、気になります。)

赤川採点:4
コメント:都市化をどのような操作的変数で定義・測定するかは、実は大問題です。第三次従業者比率だけでは、必ずしもうまくいきません。このご指摘は、鋭いです。

10 目からウロコ, 2005/03/02
レビュアー: アンパンマン   秋田県 
本書を読み始めるとまず著者の語り口に多くの人は反感を感ずるだろう。
しかし、それをしばらく我慢して読み進んでいくうちに、著者の偽悪趣味は自らのほとばしる熱情への照れ隠しではないか、という気さえしてくる。
それほど本書で語られている内容は現在の社会福祉政策の欺瞞に対する怒りに満ちているし、データに対する誠実さに満ちている。
多少、数字がややこしい箇所があるが、内容の凄さ、面白さで読み進んでいくことに困難は感じないと思う。
最後には著者の語り口に親しみさえ感じながら、読み終えることができた。
何れにしても目からウロコの1冊だった。

赤川採点:4
コメント:

>本書を読み始めるとまず著者の語り口に多くの人は反感を感ずるだろう。

 え? そんなに反感感じました?(笑)どうもすいません。最後に、親しみを覚えていただけたなら、とてもありがたいです。

11 子供は、夫婦の自発的意思で生まれるべきで、国家的誘導は、不適切, 2005/03/08
レビュアー: noritake12 (プロフィールを見る)   岐阜県 Japan 
という立場が、全編を通して貫かれている。

私は、少々違和感を持った。シンプルに考えればそうだ。
しかし、それだと生みたいが、経済難だから難しいって立場の人は、どうなる? って話になる。リバタリアニズムに近い。

そして、それで人口が減ってしまうのは仕方ないと言うのだ。
私は少子化人口減のメリットが強調されると思って本を買ったのだが、
メリットは、余り無い。しかし子供は家庭の問題だから、国家は介入せず、不利益を甘受すべき。という立場のようだ。正直、諸手を挙げて賛同できないような…
しかし、男女共同参画社会化が、出生率上昇に役立たないとの論説は、
意義有る。ので★3つ。

赤川採点:2
コメント:「経済難だから産めない」って人には、支援はあるべきです。しかしどこからどこまでが「経済難」なのか、これを詰めて議論してください。
 なぜ「諸手を挙げて賛同できない」のか、根拠を示してください。私は、「たとえ貧乏になろうとも、選択の自由と負担の公平が確立されるなら、それでよい」という立場です。あなたの立場は? そのことに触れてないので、書評としては低い点にならざるをえない。

12 説得的だが決定打にはならない, 2005/03/10
  レビュアー: お気に召すまま (プロフィールを見る)   埼玉県 Japan 
「男女共同参画は少子化対策に有効」という通念を、統計の分析に基づいて批判する。著者の言う通り、様々な要因間の「相関関係」を勝手に「因果関係」に読み替えるのは誤りである。が、著者の結論にも飛躍がある。子供を増やすために、「統計からは、男女共同参画が有効であるとはいえない」ということは、「統計から、男女共同参画が無効であることがいえる」と同じではないからである。

たとえば、著者自身の国内統計分析は、「子育て支援支出が大きい国ほど出生率は高い」という原田泰の統計(p33)への反証にはなっていない(児童手当か保育サービスかという対立は今は措く)。四つの既存の国内分析に著者自身の分析を加えたものの結論は、①都市居住、②女性のフルタイム就業、③女性自身の高収入という独立変数が、「子供を減らす」という従属変数を導くことである(p72)。この統計分析に誤りはない。だが、この分析は、三つの独立変数で示される環境にある女性に対して、この三つ以外の政策的支援が、出生数が増える要因として働くか否かについては何も述べていないからである。

五つの国内分析で興味深いのは、「実家の母親が子育てを手伝う」という独立変数は、ある統計では「子供を増やす」が(p59)、著者自身の統計ではほとんど相関要因にならない(p71)。つまり、三つの要因以外の子育て支援要因については、それが有効か無効かについて、国内分析ではほとんど結論がでていない。だから、「子育て支援額」についての原田の統計への反証が、国内分析によって示されたわけではないのである。三つの要因のもとにある女性たちに、どのような支援が有効なのか。その可能性については、著者の統計分析からは、まだ否定も肯定もできないはずだ。

赤川採点:5
コメント:すでにコメント済み。

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