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April 08, 2005

アマゾン・カスタマーレビュー逆採点(3)

さらに続き。

6 民よ、明日のない策と知っても……, 2005/01/20
レビュアー: 猫のステップ (プロフィールを見る)   新都心そば 
著者のあとがきによれば、キャプテンハーロックは、「男には、負けるとわかっていても戦わねばならない時がある」と述べたそうだ。 著述の倫理的動機がアニメの登場人物のセリフというのはすごいが、主張していることはきわめて「正論」だ。

「男女共同参画」派の知識人たちが、自派の言説を補強するためだけに、統計データをいいかげんに扱っているのは、国民を騙す行為であり、けしかんという著者の指摘はそのとおりだし。
「男女共同参画」が必要なら、必要とどうどうと主張すればいいのであって、そのせいで小子化するなら、そのデメリットを国民が公平に負担するシステムをきちんと構築すべしという主張も正論だ。

小子化は、都市化の進んだ豊かな社会におとづれる「必然」であって、いいかげんな政索でそれを回避しようとすれば、かえって悲惨な事態を引き起こす可能性もある。まして小手先のデータ操作で、有効性のない政索をあたかも有効であるかのように見せかけるのは言語道断ということか…。

ただ、既得権益のからむ政治的な場面で、この著者の主張がどれだけ支持されるかは疑問だ。公平な負担というのは、現在、利益を得ている者にとっては、損害を意味するからだ。私たち国民は、宇宙海賊の倫理を、どこまで受け入ることができるだろうか?

本当は星は四つでもよかったのだけれど、主張が正論すぎるところが、どこかひっかかって星三つ。

赤川採点:5
コメント:辛口の評ながら、私は高く評価します。なぜなら、私自身書きながら、「これって正論過ぎるよなぁ」とは何度も反問していたからです。

>既得権益のからむ政治的な場面で、この著者の主張がどれだけ支持されるかは疑問だ。
この指摘も、鋭いです。私自身、そう思います。しかし、だからこそ、あえてわかりやすい正論を展開する必要があったと判断しています。ねじれた議論にねじれたやり方で反論するのは最悪だと、あえていいたいと思います。

7 なぜ、今の今まで「でたらめ」が罷り通っていたのか?, 2005/01/25
レビュアー: カスタマー   横浜 
この本が果たした役割というのは非常に大きい。
それは、今まで(今でも)新聞等のメディアで垂れ流される
「男女共同参画が進めば少子化が止まる」
「女性の労働力を活用することで少子化がおさまる」
といった「でたらめ」を科学的に批判したことである。

少子化を、男女共同参画をどう捉えてどう考えるかも
大事だが、その前にちゃんとリサーチリテラシーを
身に付けるべきだろう。

上記のような「でたらめ」を垂れ流した似非学者や
マスコミやイデオロギストには猛省を促したい。

赤川採点:2
コメント:前半部分へのコメントですね。

8 底に流れる熱い思いを論理で覆った問題提起の本, 2005/02/10
レビュアー: 平成の読書案内人 (プロフィールを見る)   宮城県 Japan 
 今の少子化対策によって出生率の向上は望めない。それを論理的に実証したのが本書である。仕事と子育ての両立支援はなぜ少子化対策として有効に働かないのか。その理由を様々な角度から検証し、データを駆使して論証した。
 同時に本書は行政システムの不合理を暴いている。行政においては、はじめに政策ありきで事は進められる。たとえ不具合が見つかったとしても、その政策は省庁の権益を生むものである限り継続される。男女共同参画に係る政策も同様であり、少子化を防げるわけではないことが分かったとしても軌道修正はしない。そんな行政の硬直的な体制を本書は鋭く突いている。
 この本は新書の体裁をとっているが、中身は優れた学術書である。適切なデータの引用、しつこいほどの論理構成の見事さなどには目を見張らされるが、それだけなく読み進めていく中で論理の構築の仕方も学べる。著者の主張は一貫しており、都市化の進む現代においては少子化は止めようがなく、それを前提にした社会を作っていくべきだという。
 このように一見論理的な体裁を取っている本書であるが、よく読むと本質的には感情的な本であることが分かる。本書の底流にはフェミニストに対する嫌悪感が流れており、ときおり文章が尖鋭化する。それは著者も承知の上での露悪的なパフォーマンスに違いない。
 本書を読了して、その指摘するところは基本的に正しいと思う。少子化問題に対する様々な言説に、真っ向から勝負を挑んだ著者の姿勢に拍手を送りたい。

赤川採点:4
コメント:本書の内容を正確に理解してくれています。もっとも「フェミニストに対する嫌悪感」というのは、いささかいいすぎで、これは「正論を手放し、政治的駆け引きだけに走ったフェミニスト、学者、官僚たちへの嫌悪感」と訂正させてください。

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